2008年10月21日火曜日

動物管理センターからの奇跡の生還/その2


■苦しい体験を経て

 放浪中やその後の捕獲・収容所体験が、マミィに人への不信感、あらゆる物への恐怖を植え付けていました。私共のグループが初めてマミィに接したのは二月二一日。車で搬送したケージは吐瀉物と下痢まみれ、恐怖に身を縮こまらせたマミィをケージから出す事さえ、ひと苦労でした。初対面のマミィの喉元は傷だらけ、そして、その傍らに隠れる様に一匹の子犬。一番発育遅れだったこの小さな子犬以外の三匹は、既に決まっていた家族に迎えて頂けた様でした。
 見知らぬ処へ連れて来られ犬舎の隅に縮こまったマミィは、薄汚れた灰色のまだらで毛色も定かではなく、沈んだように無表情で暗く、白目を剥いた様を「生ける屍」と言った者さえいました。
 翌日から世話の為に犬舎に詰める日々が始まります。捕獲される以前は野山を駆回った犬と聞いているので下手に近寄れません。用事も無いのに度々犬舎に足を運び、マミィの目の前で床に這いつくばり子犬と遊び、どうか警戒を解いて…と願います。
 犬舎の外で足音が聞こえるだけで身を堅くするマミィ、ダンプやバイクの音にガクガクと震えるマミィに何をしてやれば良いのだろう?少しでも安心して貰いたい、人の手は、あなたを撫でるためにあるのだと解って欲しい。世話をする皆が感じていた事です。マミィは取り巻く全ての事に恐怖を感じている…まず毎日会う私たちを好きになって貰いたい!

その3へつづく)

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